○今月の安全大会

滑らない環境を作って、怪我のない一年の始まりを

長野県の松本労働基準監督署では、転倒災害防止に向けて、「松本労働基準監督署の滑らない話」というニュースを発行しているそうです。

松本労働基準監督署
2016年12月16日 凍結等による転倒災害防止(松本労働基準監督署 平成28年度版)という記事です。

言うまでもないのですが、これは、「人志松本のすべらない話」にかけた記事といえますね。今年も1月7日にスペシャルが放映されるみたいですけど。
松本労働基準監督署は松本つながりで、こういうタイトルにしたのでしょうか。

ちなみに記事の内容は、よくある記事です。転倒災害の統計があり、防止対策について、至って真面目に書かれており、特にボケやオチなどはありません。タイトルがキャッチーなだけです。

タイトルがキャッチーにすると、それで目を引き、興味をそそることがあります。
私自身、記事を見つけるきっかけになったのので、松本労基署の狙いは功を奏しているのかもしれません。

さて、この「滑らない話」にひっかけ、今回は転倒災害に関する内容です。

転倒災害に関する死傷災害は、平成28年110月までの統計で17,609人で、これは全死傷者数75,752人の約23%になっています。つまり事故にあった4人に1人が転倒が原因だといえます。

死傷災害の統計は、死亡者数と休業4日以上の怪我を合せた数字です。
この内、死亡にまで至った人数は13人です。死亡事故の多い墜落・転落などに比べると、数字として多いものではありませんが、転倒による死亡事故もあるというのも事実です。

そして17,609人の内13人を除いた人数、17,596人は休業4日以上の怪我です。
休業4日以上というと、かなりの大怪我ですよね。尻もちついたとか、膝を擦りむいたとかで、4日も休むことはないでしょう。
少なくとも骨折などの怪我をしているはずです。

実際に事故として多いのは、転倒時に手をついて手首を骨折したとか、足首や膝、尾骨を骨折したなどが多いようです。もし頭から地面に落ちてしまうと、命に関わることもあります。

つまり、転倒災害は命に関わることは少ないけれども、大怪我になる可能性があるといえます。

そして、転倒事故が増えるのは、1月から2月になります。
先に紹介した松本労基署管内の統計によると、1月と2月の転倒災害の件数は、他の月の平均の倍になるようです。

どうして、1月と2月に転倒災害が増えるのでしょうか。
その原因と対策を見てみましょう。

このブログでも、厚生労働省による「STOP!転倒災害」の紹介をしたことがあるので、そちらも合せてご覧ください。

index_arrow 冬は滑る環境が増える

1月、2月は1年で最も気温が下がる季節です。
雪が降ることも多く、早朝や夜間では地面や道路が凍結している日も少なくありません。

気温の低さ、路面の凍結が転倒を増加させる原因になるのです。

転倒の原因は、大きく3つに分類できます。

1.つまづく
2.滑る
3.踏み外す

この原因の2つ目、「滑る」が冬期に増えるのです。

どんな場所で「滑る」のか。
屋内、屋外で原因は異なります。

特に気温の影響を受けるのは、屋外です。
積雪や溶けかけの雪により、車も人もスリップの危険が高まります。
これは建物の出入口付近は特に注意です。シャーベット状になった雪や氷によって、スリップの危険が高い場所になるのです。

また駐車場での転倒も増える傾向にあります。

まとめると、冬の朝晩は、屋外を歩行時に注意が必要になるといえます。

屋内でも、床が濡れているところは、滑りやすいので注意です。
これについては、季節問わずですけどね。

では、どうすればよいか。

出入り口付近は、滑り止めマットなどを敷くなどの対応が必要です。
階段では、端部にも滑り止めを付けることも必要です。

歩き方としては、こんな点を気をつけるとよいでしょう。

1.歩幅を小さくする
2.地面には、足全体で着地する。地面に対して、真上からドスンと足を下ろす。(かかとから着地させない。)

もちろん靴裏が滑り止め加工されている靴も有効です。

さらに、こんな点も気をつけましょう。

寒くなると、ポケットに手を入れて歩くことも多くなります。
しかしこの状態で、転倒すると顔から地面に激突してしまいます。

寒い時は、手袋を着けて歩く。短時間でもこの習慣付けをすると、転倒時の被害を小さくすることになります。

その他「つまづく」、「(階段などで)踏み外す」も、転倒事故の対策としては、整理整頓など、転倒を起こさない職場環境を作ることが大事です。

1月、2月は転倒事故が増えます。
「滑らない」対策や、転倒を起こさない職場環境作りをして、今年1年を「転けない」ようにいていきたいですね。

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