○コラム

安全教育は知っているを、やっているにすること

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労働新聞社の安全スタッフ(NO.2254 3月15日)に、安全教育についての記事があり、なるほどなと思いました。
記事のタイトルは「安全教育の必要性を再確認」というものです。

安全教育にはマニュアルを渡したり、読み上げて教育完了とある種形骸化しているところもあるそうです。
しかしこれでは、十分な教育とは言えません。

こういった教育をしているところでは、もしかすると事業者はマニュアルを渡すことで、
「必要なことは伝えた」→「これで作業者は知っているはず」→「教育完了」
などといった思考になっているなかも知れません。

しかし作業者の立場からすると、どうでしょうか?
マニュアルを渡されたからといって、穴が空くほど熟読し、頭に入れるでしょうか?
そんなことはないでしょう。

それにこういった教育では、かなりの部分で受け手側の努力に依存します。

教育は、「情報を提供する」だけではありません。
少なくとも安全に関することでは、「実行している」ところまでもっていかなければなりません。

記事では、

「わが国では、「安全作業標準」の位置付けとは活用には問題が指摘されている。すなわち、作った後の活用が不十分であり、形骸化しているきらいがある。」

安全教育がより効果を上げるためには、どこぞの資料をコピペするだけでなく、戦略的な視点で考える必要がありそうです。            

index_arrow 安全教育を計画する

安全教育を行うに際しては、目的、目標を明確にし、計画することが必要です。
それには、5W1Hに落とし込むことも大事です。

誰に対して教育するのか?
どのタイミングで行うのか?
どこで行うのか?
なぜ行うのか?
何の教育を行うのか?(何に焦点をあてるのか?)
どのように行うのか?

安全教育は一度で全てを網羅することはできません。
継続して教育していくことが大事ですが、その都度何を教育するかを明確にする必要があります。

例えば、
新人に安全の基本ルールを身につけさせたいとする教育では、このようになります。

(誰に)新人の作業者に対して、
(いつ)研修の最初に、
(どこで)事務所で、
(何)安全ルールについて、
(なぜ)作業時の基本を知ってもらうため、
(どのように)研修スタイルと実地で

漠然とあれもこれもと教育するのでなく、一度に教える内容は絞っていかないと、理解されません。

このやり方は今回(この時間)は、基本ルール、次は禁止事項、その次は安全作業の点検方法などと分ける必要があり、準備教材が増えてしまうデメリットはあります。
しかし教育する側、学ぶ側が、今は何をやっているのかが明確になり、集中できるメリットもあります。

記事では、作業手順書を改良し、教育も使えるものにしようとしています。
作業手順書を作成しているところも多いですが、作っていると、従っている活用しているでは話が違います。
手順書の中身を理解するには、日常的に目にすることが大事です。
作業手順書も教材として、使えるように見直すのも安全教育では効果的です。

安全教育は計画することが重要です。
教育の結果は、「伝えたよね?じゃあ後はできるよね?」というものではありません。
最終的には、教育した内容が実施され、しかも習慣化されなければなりません。

実施と習慣化のために、内容は絞り込み、シンプルかつ具体的にしなければなりません。
例えば、「歩行中はポケットに手を入れてはいけません。」というレベルまで起こし込みます。

表現も「常に整理整頓をしよう」では曖昧です。整理整頓とはどんな状態か具体的でないと、行動に移せません。
「作業路に物が置かれていない状態にする。使った材料や工具は必要がなくなったら、元の位置に戻す。」
などです。もっと噛み砕いてもいいかもしれません。

作業手順書や教育資料はシンプルで明確に、そして行動を書くようにしましょう。

「適切に行う」、「適宜行う」などふわふわした表現では、わかりません。

安全教育は行動に変化を起こさないと意味がありません。
人を動かすのですから、教育計画は経営戦略に近いくらい考える必要があるのです。

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