○安衛法と仲良くなる建設用リフト

建設用リフトの安全 その7。 定期自主点検

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建設用リフトは、落成検査を受けて検査証をもらったら、廃止まで検査を受ける必要はありません。
その点が、他の特定機械と異なる点です。
クレーンなどの特定機械は、2年に1度など定期に性能検査を受けなければなりません。性能検査を受け、合格したら検査証の更新ができるのです。いわば自動車やバイクの車検と同じです。

建設用リフトは、いわば250ccのバイクのように車検はありません。
しかしノーメンテでよいかというと、そんなことはありません。

公的の検査がない分、自主検査が大切になるのです。

クレーン則では、建設用リフトの自主検査についても規定されています。

【クレーン則】

第3節 定期自主検査等

(定期自主検査)
第192条
事業者は、建設用リフトについては、1月以内ごとに1回、定期に、
次の事項について自主検査を行なわなければならない。
ただし、1月をこえる期間使用しない建設用リフトの当該使用しない期間においては、
この限りでない。

  1)ブレーキ及びクラッチの異常の有無

  2)ウインチの据え付けの状態

  3)ワイヤロープの損傷の有無

  4)ガイロープを緊結している部分の異常の有無

  5)配線、開閉器及び制御装置の異常の有無

  6)ガイドレールの状態

2 事業者は、前項ただし書の建設用リフトについては、その使用を再び開始する際に、
  同項各号に掲げる事項について自主検査を行なわなければならない。

建設用リフトは自主的にしっかりと点検しなければなりません。
点検を疎かにしていると、故障を放置することになるのです。

建設用リフトは1ヶ月以内に1回は自主検査を行わなければなりません。

この時に検査は、しっかり細かいところまで入念に行います。
具体的には、1号~6号の内容になります。

1.ブレーキ及びクラッチ
2.ウインチ
3.ワイヤロープ
4.ガイロープの緊結部分
5.配線、開閉器及び制御装置
6.ガイドレール

上から下までチェックします。
もし異常個所があれば、放置してはいけません。すぐに修理、補修しましょう。
点検後、使用再開までには対応しておきましょう。

(作業開始前の点検)
第193条
事業者は、建設用リフトを用いて作業を行なうときは、その日の作業を開始する前に、
次の事項について点検を行なわなければならない。

  1)ブレーキ及びクラッチの機能

  2)ワイヤロープが通っている箇所の状態

1ヶ月に1回の点検は詳細までチェックしますが、定期点検を待たずに故障や異常が発生する場合もあります。
この前の点検では異常がなかったのに、壊れたなんてよく聞く話です。

異常をいち早く発見するには、日常の点検が欠かせません。

建設用リフトは、その日の作業前に点検しなければなりません。

この時の点検は、すぐに作業ができるように簡易なものです。

1.ブレーキ及びクラッチ
2.ワイヤロープ

リフトの根幹となる重要な箇所なので、ここに異常があると大事故につながりかねません。
簡易であっても、重要な点検なのです。

(暴風後等の点検)
第194条
事業者は、建設用リフト(地下に設置されているものを除く。)を用いて
瞬間風速が毎秒30メートルをこえる風が吹いた後に作業を行なうとき、
又は建設用リフトを用いて中震以上の震度の地震の後に作業を行なうときは、
あらかじめ、当該建設用リフトの各部分の異常の有無について点検を行なわなければならない。

建設用リフトの点検は、月1回の自主点検と日常点検のように定期のものもあれば、臨時で行なうものもあります。
どのような時に必要になるかというと、暴風と地震の後です。どちらも据付けられた建設用リフトに影響を与える可能性があります。

暴風と地震の後は、建設用リフトの点検をしなければなりません。

これはちょっと強い風が吹いた、ちょっと揺れた程度の場合は必要ありません。

基準は、暴風とは風速30メートル以上の風です。これは台風なみの風です。そのため台風やそれに匹敵するほどの風が吹いた時点検が必要です。
地震も深度1や2程度では必要ありません。中震以上つまり深度4以上の地震のときです。深度4となると建物も揺れます。建物に付属するリフトも同様です。

天災の後は、点検が重要なのです。

(自主検査等の記録)
第195条
事業者は、この節に定める自主検査及び点検(第193条の点検を除く。)の 結果を記録し、これを3年間保存しなければならない。

点検しても、記録がなければ後でやったかどうかの確認ができません。

建設用リフトの点検を行ったら、結果を記録し3年間保管しなければなりません。

万が一事故があった場合、記録の有無は重要になります。
しっかり点検をやっていたとしても、記録簿がなければ、やったとは見なされません。
そんなことにならないように記録して、残しましょう。

(補修)
第196条
事業者は、この節に定める自主検査又は点検を行なった場合において、 異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない。

点検で異常な所があったら、放置してはいけません。

点検で異常個所があれば、すぐに補修しなければなりません。

リフト床の角がちょっと曲がっちゃった程度ならともかく、ワイヤーやブレーキといった重要部が壊れたまま使用するのは、危険極まりありません。

先日、我が家で水道管が破損し、水が駄々漏れになっている箇所がありました。あまり見ない場所だったので、発見が遅れ、最大2週間水が漏れていたようです。
水道代が怖い。。。

普段見ない場所でも、点検することは、異常個所のいち早い発見になります。
もう少し発見が早ければ。。。
この水道の事故は、懐に強いダメージを与えてくれ、点検の重要さについて、教訓となりました。

まとめ。

【クレーン則】

第192条
建設用リフトについては、1月以内ごとに1回、定期に自主検査を行なわなければならない。
第193条
建設用リフトを用いて作業を行なうときは、その日の作業を開始する前に、点検を行なわなければならない。
第194条
建設用リフトを用いて瞬間風速が毎秒30メートルをこえる風が吹いた後に作業を行なうとき等は、異常の有無について点検を行なわなければならない。
第195条
自主検査及び点検の結果を記録し、これを3年間保存しなければならない。
第196条
自主検査又は点検を行なった場合において、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない。

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