危険物・有害物○安衛法と仲良くなる

化学設備の取り扱いの注意

entr-433化学物質というと、普段それらに接さない私にとっては、危険物というイメージがあります。
そんなイメージに通り、ほんの微量でも命に関わるような物質も確かにあります。
できるならば、危険な物質は避けたいものです。しかし使用がさけられないこともあります。

例えば、青酸化合物はメッキや金属加工などに使われます。しかしこの物質は、ミステリーなどでよく使われる青酸カリになります。青酸カリが体内に入るとどうなるかは、わかりますよね。

製品の製造過程では、誘導物質が避けられません。
使用が避けられないのですから、取り扱いには非常に注意が必要になります。

これら危険物の使い方は、安衛則で厳重に規定されています。

【安衛則】

第3節 化学設備等

(化学設備を設ける建築物)
第268条
事業者は、化学設備(配管を除く。)を内部に設ける建築物については、
当該建築物の壁、柱、床、はり、屋根、階段等(当該化学設備に近接する部分に限る。)を
不燃性の材料で造らなければならない。

化学物質の中には、非常に燃えやすいものが多いです。そのため一旦火災が起こると、工場全体や周囲にも燃え広がる恐れがあります。
火災を起こさないことが何より大事ですが、万が一火事になっても、燃え広がらないようにする必要があります。

化学設備を内部に設ける建築物は、壁や床、天井など、化学設備に近接しているところを不燃性の材料で造らなければなりません。

不燃材なので、木材などで作ってはいけませんね。 化学物質を通す配管だけしかない場合は、不燃材で造る必要はありません。

化学物質を取り扱う場所のみ、不燃材としなければなりません。

(腐食防止)
第269条
事業者は、化学設備(バルブ又はコックを除く。)のうち危険物又は引火点が
65度以上の物(以下「危険物等」という。)が接触する部分については、
当該危険物等による当該部分の著しい腐食による爆発又は火災を防止するため、
当該危険物等の種類、温度、濃度等に応じ、腐食しにくい材料で造り、
内張りを施す等の措置を講じなければならない。

危険物や引火点が65℃以上の物質などは、まとめて危険物と呼ばれます。
危険物が接する部分が腐食したりすると、そこから物質が漏れ出します。危険物の漏えいは、何があっても防ぐ必要があります。

危険物に接する部分は、腐食に強い材質で造らなければなりません。
例えばステンレスなどが腐食に強いですが、場合によっては、ステンレスも腐食するので、取り扱う物質に応じた材質を選定します。

(ふた板等の接合部)
第270条
事業者は、化学設備のふた板、フランジ、バルブ、コック等の接合部については、
当該接合部から危険物等が漏えいすることによる爆発又は火災を防止するため、
ガスケットを使用し、接合面を相互に密接させる等の措置を講じなければならない。

危険物が漏れ出すおそれがある場所は、どこかというと蓋や配管の接続部です。 配管の中心から漏れ出すことはほとんどありませんが、接合する部分からの漏れ出しは、よくあります。
水道の蛇口付近も、パッキンがおかしくなると、漏れだしたりしますね。

化学物質を取り扱う場所も、同じなのです。

化学物質の蓋、フランジ、バルブ、コックなどの接続部は、接続面をガスケットで密接させて、漏えいを防がなければなりません。

接続部からの漏えいは、ゴムのパッキンを挟むなどして、隙間が一切無いようにします。

化学物質が漏れ出すと、作業者自身も周りの人も非常に危険な状態になります。 そのため漏えいをとにかく防ぐことが大事なのです。

まとめ。
【安衛則】

第268条
化学設備を内部に設ける建築物については、不燃性の材料で造らなければならない。
第269条
化学設備のうち危険物又は引火点が65度以上の物が接触する部分については、腐食しにくい材料で造る等の措置を講じなければならない。
第270条
化学設備のふた板、フランジ、バルブ、コック等の接合部については、ガスケットを使用し、接合面を相互に密接させる等の措置を講じなければならない。