○コラム

ただいま「安全衛生教育促進運動期間」だそうです。

昨年は電通の新入社員が過労により、命を追い詰められた事件が大きく取り沙汰されました。
まだ裁判の途中ではありますが、社長が辞任するというなどの経過を辿っています。

この原因は長時間労働を強いたことにあります。
そもそも働く目的はやりがいなどもありますが、自分や家族の生活のためというのが理由もかなりの割合を占めるのではないでしょうか?

生活のため、生きるための仕事で命を落としては、本末転倒です。
命を削るほどの長時間労働も深刻ですが、私が携わっているフィールドでいうと事故や病気で命を落とすことも同様です。

業務中の事故の原因として、設備や機械などが不安全な状態だったというものがあります。
例えば、物を切断する機械が、刃物むき出しだったりの状態を想像してみて下さい。うっかり手を近づけるとスパッと切ってします。
そんな状態だと安心して仕事が出来ませんよね。

もう1つの原因が、人間の行動によるものです。いわゆる不安全行動というものです。
事故は人間が関わることで起こります。

先に例を挙げた刃物むき出しの機械でも、そこに人が近づかなければ、事故なと起こりません。動いているのに手を入れることで事故になるのです。

不安全な行動はどうして起こるのか。
危険と知りつつやるということはあるでしょう。しかし危険行動と知らずにやってしまう、つまり知識がなかったことが原因も多いのです。

仕事において今はベテランの人でも、初心者の頃はありました。
最初は、学ぶことのほうが多かったはず。学ぶ内容には、危険なこと、安全な作業方法も少なくありません。

知識不足で事故。案外少なくありません。
軽い事故で、いい経験になった程度なら、後々のネタにでもなるでしょうが、取り返しがつかなくなることもあります。

特に危険をともなう業務では、業務に着く前に学ぶことが、命を守ることになるのです。

このような事故を軽減するために、中災防(中央労働災害防止協会)が「安全衛生教育促進運動」を提唱しているようです。
期間は、平成28年12月1日~平成29年4月31日までです。

何とも中途半端な期間のキャンペーンですが、これは平成28年10月に「安全衛生教育推進要綱」が改正されたことを踏まえた取り組みのようです。

特に力を入れる教育は、次の通りです。

・雇入時教育
・職長等教育
・作業内容変更時教育
・特別教育
・就業制限業務に係る資格(技能講習・各種免許)

です。
これらの教育は、法令で義務付けられています。
そして事業所の大小に関わりありません。社員が1人でも義務があります。

うちの会社は小さいから、新入社員教育など不要・・・ではないのです。
悠長に言葉で教えるよりも、入った初日から実地で仕事を覚えさせる・・・確かにこれも教育です。ただし、教える内容には仕事のやり方だけでなく、危険なことや危険防止についても教える必要があります。

これらの教育は徹底してやられているでしょうか?
新入社員やパートなどを新たに雇用したとき、きちんと教育しているでしょうか?
フォークリフトなど無資格で作業させていないでしょうか?

私も安全教育の講師をさせていただく関係上、安全教育の大切さは重々承知しているつもりです。
確かに建設業など資格ばっかり・・・という気もしなくはありません。

しかしそれだけ危険を伴う仕事が多いという証拠でもあるのです。

このキャンペーンは、期間中は受講費が安くなるというわけではありません。
目的は「教育しっかり受けましょうね。」というものです。

キャンペーンを張られることで、関連ポスターなども見かけることも多いでしょう。
それを見て「ああ、そう言えば、受けなきゃ」と心に引っかかれば上々といったところではないでしょうか。

サービス業や飲食業、ショップなどでは、アルバイトの入れ替わりがあると思います。
特別教育など危険を伴う仕事はないとしても、雇入時教育などは必要です。

教育には、仕事のやり方だけでなく、仕事をする上での安全教育も含めてくださいね。

最後に、講師をしているのでコマーシャル。

私は、こちらの会社にお世話になり、特別教育などの講師をしております。
日本全国、いつでもどこへでも講師を派遣する、なかなかユニークな会社です。
ご用命の際はぜひ。

安全教育センター

特に足場の特別教育は、今年6月いっぱいで猶予期間が終わります。
おそらく5月、6月は駆け込み需要で大変なことになるかもしれないので、お早めに。

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