○今月の安全大会

リスクアセスメントKYを活かすためには

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ここ数年で、リスクアセスメントという言葉は多少なりとも浸透してきたように感じます。
安全パトロールで様々な工事現場などに伺うと、リスクアセスメントKYというものを見かけることが多くなりました。

朝礼時にKYなどをやる立場からすると、リスクアセスメントKYは書き込む内容が増えてしまうため、手間で面倒に感じてしまいます。
一方、元請業者としての立場からすると、リスクアセスメントを実施し、従来のKYのマンネリ打破に一役を買っています。

しかしこのリスクアセスメントKYですが、果たして有効に活かされているかというと、まだまだではないでしょうか。
実のところ、従来のKYと変わらない、ただ様式が変わったに過ぎないと感じている人も少なくないかと思われます。
確かにリスクアセスメントKYを見ていると、KYに点数が加わって運用している様子が見られます。

本来、KYとリスクアセスメントは少々性質を異にします。

KYは今から行う作業について予想される危険とその対策の検討です。
近々の作業に関してであるため、対策も手持ちのもので行う必要があります。
そのため対策はせいぜい保護具を着けるとか、立入禁止にするなどが限界です。

一方リスクアセスメントの本来の役割は、もっと根本的な安全対策などです。
仕事の仕方や設備などをチェックして、材料や仕事の手順、機械などの取替も検討に入ります。
つまりかなり大きな議案も取扱うことができます。

そういう意味で、KYとリスクアセスメントでは対象としているものが違います。
そのため簡単にKYにリスクアセスメントを混ぜるのは難しいといえます。

では、なぜあえたリスクアセスメントKYを行うのかというと、2つ理由が考えられます。

1つは、従来のKYのマンネリを解消するため。
比較的新しい取り組みを取り入れて、気持ちを新たにする狙いがあったのではないでしょうか。
まあ、実際のところは大手が導入したので、それにならったというケースも少なくないでしょうが。

もう1つは、リスクアセスメントそのものの啓発や教育とするものです。
リスクアセスメントが導入され、活用されていますが、普及率はまだまだです。建設業では、元請け業者はともかく、下請け業者が積極的に活用するまでには至っていません。

元請け業者の役割りは、作業中に事故がないようにすることです。
しかしそれだけではありません。工事期間中に安全管理を徹底することに酔って、下請け業者などへの安全教育、安全意識の向上にもなっているのです。

下請け業者が、教えられたことを別の工事に利用するケースも少なくありません。
特に安全書類の書式を、使いまわすなどはよくあるのではないでしょうか。

今後もリスクアセスメントKYなどに触れる機会が多くなることによって、認知が広がっていき、活用の場が増えてくるのが理想です。
安全管理は、広げたハンカチの真ん中をつまみ上げるようなものです。真ん中を高く上げると、それに伴い裾野も持ち上がってくるように、元請け業者が先陣を切ることで、1次下請け、2次下請けと教育が行き渡っていくのです。

リスクアセスメントKYを毎日の作業前に行うことが、安全教育になります。
そして、さらに活かすために、ぜひ行ってほしいことがあります。

それは、月次の安全教育や災害防止協議会などで、KYの内容を見直し、評価させることです。
KYは毎日書いているけれども、見直す機会は少ないのではないでしょうか?

見直すことで、毎日同じこと書いているとかの反省になります。
また、対策なども具体的にするとどうなるかなどを、じっくり考える時間も作れます。

リスクアセスメントもPDCAの一環ですから、C(評価)とA(改善)が大切です。
リスクアセスメントKYをより意味のあるものにするために、ぜひ見直す機会を作ってみましょう。

安全教育や協議会もマンネリ化しているなら、見直しもいい刺激になるかもしれませんよ。

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