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鉄棒挿入中に電線に触れ感電、作業員4人死傷(東京都八王子市)

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電線付近での作業は、注意が必要です。
電線に触れてしまうと、感電してしまうからです。

感電事故は、一瞬の命を奪ってしまいます。
そのため、作業前にはしっかり対策することが大事なのです。

東京都八王子市で電線に接触する事故がありました。

今回は、この事故の原因を推測し、対策を検討します。

index_arrow 事故の概要

事故の概要について、新聞記事を引用します。
なお、紹介したいのは事件そのものですので、被害者名などは割愛しておりますので、ご了承下さい。
引用の下に、元記事へのリンクを張っております。

鉄棒挿入中に電線に触れ感電、作業員4人死傷(平成28年9月10日)

10日午後0時5分頃、東京都八王子市の工事現場で、のり面の補強工事を行っていた男性作業員4人が感電する事故があった。

作業員らは病院に運ばれたが、50歳代の男性が死亡し、30歳代の男性が意識不明の重体のほか、2人が手足のしびれの軽傷を負った。

警視庁八王子署の発表によると、のり面に開けた穴に、約6メートルの鉄の棒を挿入する作業を5人で行っていたところ、この棒が頭上の電線に触れて感電したという。5人のうち1人は無事だった。同署は死亡した男性らの身元の確認を急いでいる。

読売新聞

この事故の型は「感電」で、起因物は「電線」です。

法面の補強工事で、鉄筋アンカーを打ちこんでいた時に事故が起こりました。
鉄筋アンカーは、法面がずれ落ちないように固着するためのものです。

このアンカーの長さは、6メートルもありました。
1人で持つことは出来ません。この作業では、5人で持ち上げていました。この時頭上の電線に触れてしまったのでした。そしてアンカーに触れていた人たち全員が感電したのでした。

それでは、原因を推測していきます。

index_arrow 事故原因の推測

まず電線付近で作業するにあたっての準備が出来ていなかったことが問題でした。
電線付近で作業するのに、電力会社などと調整できていませんでした。

そしてガードなどの防護具などの接触防止措置がなかったこと、また監視人などもいませんでした。

電線付近で、長尺物を取扱う時は、準備が必要なのです。

それでは、原因を推測をまとめてみます。

電力会社と調節できていなかったこと。
電線の防護具がなかったこと。
電線との離隔確認する監視人がいなかったこと。

それでは、対策を検討します。

index_arrow 対策の検討

電線付近で作業するときは、まず電力会社と相談することが重要です。
その結果として、電線に防護管を取り付けてくれたり、また作業時の注意指導などがあります。

そして電線に接触するだけでなく、接近することも避けなければなりません。
そのためには、離隔を確認するために監視人などの措置も必要になります。

対策をまとめてみます。

事前に電力会社と相談する。
電線に防護管などの防護具を取り付ける。
電線からの離隔を確認するため、監視人を置く。

電線付近での作業は、感電に注意が必要です。
法面工だけでなく、電線付近での足場作業なども注意が必要です。

index_arrow 違反している法律

この事故で、関係する法律は、おそらく次の条文です。

第349条
架空電線又は電気機械器具の充電電路に近接する場所で、工作物の建設、解体、点検、修理、塗装等の作業や、くい打機、移動式クレーン等を使用する作業を行なう場合においては、電路を移設、囲い、監視人を配置するなどの措置をとらなければならない。

これらについて、解説している記事は、こちらですので、あわせて参考にしてください。

感電防止 その7。 絶縁用道具と電線付近の作業時の注意。

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