○ショートストーリー”猫井川ニャンのHH白書”

猫井川、アタッチメントにがたんする

entry-634

こんなヒヤリハットがありましたので、対策とともにご紹介したいと思います。

index_arrow 第85話「猫井川、アタッチメントにがたんする」

猫井川は、今日も犬尾沢の現場での作業に向いました。
前回コンクリートを打設し、しばらくは養生期間になるため、別の現場で作業することになりました。

犬尾沢が向かう現場は、河川敷での工事です。
作業内容は川床を掘るお手伝いでした。

「よし、ここは今日だけの作業になるけれども、川床を掘るぞ。
 もうすぐしたら0.45が配送されるから、まずアタッチメントを替えるからな。
 
 保楠田さん、スケルトンのは持ってきてますよね。」

「うん。ダンプに積んできてるよ。」

保楠田が乗ってきたダンプを指差すと、その荷台には大きなバケットが積まれていました。
そのバケットは網状になっていたのでした。

スケルトンのバケットを見て、猫井川が保楠田に訪ねました。

「俺、このバケットを使うのは初めてですよ。どんなときに使うんですか?」

「これは見ての通りなんだけど、細かい砂とかは網目から落ちるんだよ。だから大きな石とかだけをすくうことができるわけ。」

保楠田は答えました。保楠田の言葉に続けて犬尾沢が、

「そうだぞ。スケルトンのアタッチメントに替えて、河川敷の石を運ぶわけだ。
 俺たちは、石をダンプに載せて、運び出す作業をする。
 今日しか来れないから、ある程度は片付けていくからな。」

と言いました。
そして、

「いい機会だ。猫井川は保楠田さんを手伝って、アタッチメントの取り換えをしてくれ。」

と続けました。

「それじゃ、アタッチメントの取り換えと準備をしていきましょうか。」

そして保楠田と猫井川は、ショベルカーのアタッチメント取り換えを行うことにしたのでした。

「アタッチメントの取り換えってやったことある?」

「いや、自分ではやったことないです。
 講習で教えてもらったり、人がやっているのを見たりしたんですけどね。」

「そうか。じゃあ今回はしっかり手伝ってもらおうかな。
 まずアタッチメントを吊って降ろそうか。」

保楠田はショベルカーに乗ると、アタッチメントにワイヤーを掛け、吊り上げたのでした。
そして地面の上に下ろしました。

「よし、まずは今のバケットを外そう。猫ちゃんその2箇所のピンを外して。」

保楠田自身はショベルカーに乗ったままで、猫井川に指示するのでした。

ショベルカーのジブの先端には、アタッチメントを取り付けるピンが2箇所付いてます。
猫井川はそのピンを外しにかかりました。

「そのままじゃ取れないから、まずはそのロックピンを外す。
 そうそう。それを外して、ボルトを緩める。」

猫井川は、指示通りに取り外しました。
無事取り外しが終わると、次は取り付けにかかりました。

「取り付けは基本的に今と逆の手順だよ。
 まず、ショベルカーを動かすから。」

保楠田がショベルカーを操作して、ジブの先端を取り付け部に差し込みました。

「まずは1本目のピンを差し込んで。
 しっかり取り付けてね。」

猫井川はバケットの先端に近い方のピンを差し込みました。
ピンをハンマーで叩き、奥まで差し込んだのでした。

「大丈夫?ちゃんと差し込んだ?
 じゃあ、少し持ちあげるから。」

保楠田は、ジブを1メートルほど持ち上げました。取り付けたばかりのバケットは、ダランと垂れています。

「角度を調整するから、2本目のピンを差し込んで。」

猫井川は、2本目のピンを持つと穴に差し込みました。

「穴の位置が合っていないみたいです。
 もうちょっと上げてください。
 
 あ、今度は行き過ぎです。あと元に戻して。」

なかなか微調整ができません。シノをさして穴の位置を固定していますが、ピンが入りません。

「ダメか〜。一度上げてみるよ。」

そう言って保楠田がジブを持ち上げた時でした。
バケットがガクンと下に落ちたのでした。近くにいた猫井川は思わずのけぞりました。

「おっと危ない!
 大丈夫?」

「ええ、大丈夫です。少しびっくりしましたけど。
 でも持ち上げたから、穴の位置はピッタリぽいです。」

今のがたつきで、ようやく位置の合った穴にピンを差し込むことができたのでした。

「OKです。差し込みました。」

「じゃあ、ピンを差し込んで。」

猫井川がピンを差し込み終えると、保楠田はショベルカーを降りてきました。

「もしボルトのネジが緩かったら、ぺしゃんこになっていたね。
 たまーに、アタッチメントが落ちて、足が潰れる人もいるみたいよ。」

保楠田は、笑えない冗談を言いながら、ケーブルなどを取り付けていくのでした。

猫井川は今更ながらゾッとしつつ、ボルトの増し締めをするのでした。

index_arrow ヒヤリ・ハットの補足と解説

今回のヒヤリ・ハットはバショベルカーのアタッチメントの取り換えを行うときのものです。

ショベルカーのバケットは、用途に応じて取り替えます。アタッチメントはかなりの重量物です。もし落下して、足など体の一部が下敷きになると、ひとたまりもありません。
猫井川のピン止めが緩かったら、落ちていたかもしれません。

初めての作業でしたが、猫井川は大事にならずに終わらすことができたようです。

それでは、ヒヤリ・ハットをまとめます。

ヒヤリハット ショベルカーのアタッチメントを取り替える際に、落ちそうになった。
対策 1.アタッチメントの取り付けピンを確実に取り付ける。
2.アタッチメントを持ち上げる際には、安全距離を保つ。

ショベルカーのアタッチメント取り換えは日常的に行われます。
しかし手順を誤ると、大きな事故になるのです。

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