危険物・有害物○安衛法と仲良くなる

化学設備の取り扱いの注意。その4

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化学設備を取り扱う工場などでは、設備の安全性を確保しなければなりません。

しかし、完全に設備任せにしてもよいものでしょうか。当然ことながら、そんなことはありませんね。

取り扱い方も大事です。
危険物質を扱うのですから、ぞんざいに扱ってはいけませんよね。

安衛則では、危険物質の取り扱い方についても、規定しています。

【安衛則】

(作業規程)
第274条
事業者は、化学設備又はその附属設備を使用して作業を行うときは、これらの設備に関し、
次の事項について、爆発又は火災を防止するため必要な規程を定め、
これにより作業を行わせなければならない。

  1)バルブ、コック等(化学設備(配管を除く。以下この号において同じ。)に原材料を
   送給し、又は化学設備から製品等を取り出す場合に用いられるものに限る。)の操作

  2)冷却装置、加熱装置、攪拌装置及び圧縮装置の操作

  3)計測装置及び制御装置の監視及び調整

  4)安全弁、緊急しや断装置その他の安全装置及び自動警報装置の調整

  5)ふた板、フランジ、バルブ、コック等の接合部における危険物等の漏えいの有無の点検

  6)試料の採取

  7)特殊化学設備にあっては、その運転が一時的又は部分的に中断された場合の運転中断中
   及び運転再開時における作業の方法

  8)異常な事態が発生した場合における応急の措置

  9)前各号に掲げるもののほか、爆発又は火災を防止するため必要な措置

化学物質の取扱いは、慎重を要します。取り扱いを誤れば、火災や爆発を引き起こしたり、誘導物質が漏れだしたりします。
設備自体の安全性を高めても、下手な扱い方で、設備の安全性を損なうこともあります。

化学設備を取り扱う場合は、火災や爆発を防ぐための取扱規定を定め、作業させます。
取扱規定は、各号に定められている項目について行います。

1.バルブ等を操作して、原材料を送り出す方法。
2.冷却装置、加熱装置、拡販装置などの操作
3.計測器、監視装置の操作
4.安全弁、緊急遮断弁などの安全設備
5.漏えいの確認
6.運転中断や再開時の方法
7.異常事態の対処

定常作業の作業手順書だけでなく、非定常作業の作業方法も手順書で定めます。また緊急事態の対応方法も定めておきます。
1つ1つの作業に対して、安全に行えるよう手順書を定め、これを守らせなければなりません。

(退避等)
第274条の2
事業者は、化学設備から危険物等が大量に流出した場合等危険物等の爆発、火災等による
労働災害発生の急迫した危険があるときは、直ちに作業を中止し、労働者を安全な場所に
退避させなければならない。

2 事業者は、前項の場合には、労働者が危険物等による労働災害を被るおそれのないことを
  確認するまでの間、当該作業場等に関係者以外の者が立ち入ることを禁止し、
  かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない。

どんなに安全な取り扱い方を定めても、時には化学物質が漏れ出すこともあれば、火災が起こることもあります。
これらの事故はいつ起こるか分かりません。

万が一、発生した時にもパニックにならないように、準備しておく必要があります。

化学物質の大量漏えいや火災、爆発などの異常事態には、直ちに作業を中止し、退避させなければなりません。退避した後も、被害が広がらないことが確認できるまで、関係者以外立ち入り禁止とし、その旨を掲示します。

異常事態のときの対処方法、避難経路などは、あらかじめ決めておきましょう。

化学物質、危険物質を取り扱う場所では、取り扱い方だけでなく、緊急事態にも備えておく必要があります。
緊急時にどうしたらいいのかわからないということを防ぐため、平時から準備し、避難訓練等も行いましょう。

まとめ。

【安衛則】

第274条
化学設備又はその附属設備を使用して作業を行うときは、爆発又は火災を防止するため必要な規程を定めなければならない。
第274条の2
化学設備から危険物等が大量に流出した場合等危険物等の爆発、火災等の危険があるときは、直ちに作業を中止し、労働者を安全な場所に 退避させなければならない。