○安衛法と仲良くなる安全体制

作業主任者の業務 その2

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作業主任者の業務その2です。
その1はこちら。
作業主任者の業務1

今回はその続きをまとめたいと思います。


○13号 船内荷役作業

港では貨物船などが発着し、荷物の積込み、積み下ろしの作業が行われています。
この作業を行うにあたって、作業主任者を専任しなくてはいません。
ただし総トン数が500トン以下船舶で、揚貨装置を用いないで行う場合は、選任する必要はありません。
小さな船に手作業や、港のクレーンを使用した場合などは選任不要ということですね。

船自体にクレーン設備を備えているような、大型の貨物線の場合には、作業主任者が必要になります。

【安衛則】

(船内荷役作業主任者の選任)
第450条
事業者は、令第6条第13号 の作業については、
船内荷役作業主任者技能講習を修了した者のうちから、
船内荷役作業主任者を選任しなければならない。
(船内荷役作業主任者の職務)
第451条
事業者は、船内荷役作業主任者に、
次の事項を行なわせなければならない。

  1)作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。

  2)通行設備、荷役機械、保護具並びに器具及び工具を
   点検整備し、これらの使用状況を監視すること。

  3)周辺の作業者との連絡調整を行なうこと。

作業主任者の業務内容は、次のとおりです。

1)作業方法を決定し、労働者を直接指揮する。
2)通行、荷役、安全保護具等の点検を行う。
3)周辺の作業者との連絡調整を行う。

大型の貨物船での荷物の積み下ろしの作業において、常につきまとう危険は荷物の落下事故です。
また海上という安定しておらず、荷物の運搬距離も比較的長くなり、船と港と高低差もあるので、死角も生じやすい環境です。
そのような条件での作業になるため、全体を把握できる立場の人が必要になるわけですね。

特に周辺作業者との連絡調整が、重要であると言えます。


○14号 型枠支保工

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型枠工とは、コンクリートを打つ作業に必要な工事です。
コンクリートはコンクリートの外壁や、建物の基礎、橋脚などありとあらゆる構造物に使用されています。
コンクリートを打つ時は、流動性が高いので、何もせず打つと周囲に流れていってしまいます。

そのため目的の形を作るために、パネルで型を作っておきます。これを型枠工といいます。
型枠の中にコンクリートを流しこむのですが、流し込んだコンクリートの内圧は非常に大きいため、パネルをしっかり固定しておかないと、すぐに型枠は崩れ、コンクリートが流れだしてしまいます。

この型枠を堅固に固定することが、型枠支保工です。
支保工というと、土止め支保工を紹介しました。こちらも土が崩れるのを防ぐよう支える設備でしたので、対象が異なるだけで、目的は同じです。

【安衛則】

(型枠支保工の組立て等作業主任者の選任)
第246条
事業者は、令第6条第14号 の作業については、
型枠支保工の組立て等作業主任者技能講習を修了した者の
うちから、型枠支保工の組立て等作業主任者を
選任しなければならない。
(型枠支保工の組立て等作業主任者の職務)
第247条
事業者は、型枠支保工の組立て等作業主任者に、
次の事項を行わせなければならない。

  1)作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。

  2)材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、
   不良品を取り除くこと。

  3)作業中、要求性墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を
   監視すること。

作業主任者の業務内容は、次のとおりです。

1)作業方法を決定し、労働者を直接指揮する。
2)材料の欠点や器具、工具の点検を行う。
3)安全防具の使用状況を監視する。

土止め支保工と同じ作業内容です。
土止め支保工でも同じように、材料が適切でなければ、コンクリートを打ち込んだ時に崩れてしまいます。
打設時や打設後は、周辺で労働者が作業しています。
型枠がしっかり固定されておらず、コンクリートが流れ出すと、生き埋めになってしまうこともあります。
実際にそのような事故も発生した事例もあります。

型枠支保工は高さなどの制限はなく、どんなに小さな型枠工の場合でも必要になります。

建設業において、コンクリートは必ずと言っていいほど使用します。
必然、型枠支保工の作業主任者の仕事も多くなります。


○15号 足場工

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つり足場、張出し足場、5m以上の足場の組み立て、解体を行うには作業主任者の選任が必要になります。

足場は建築物などの構造物工事の場合、必ず設置します。
外壁工事や屋根の工事など、地面から2m以上の高さで仕事を行う場合は、足場を設置しなくていけません。

建設業をはじめとして、最も死者が多い事故は、墜落・転落事故なのです。 高いところから落ちたら、死ぬ、大怪我になるというのは想像ができると思います。
足場も高所の作業です。そして足場から転落して、死傷事故は多発しているのです。

一般の足場は、建物などの側に地面から建てていきます。この場合は、5m以上の高さになる場合に、作業主任者が必要になります。5mというと、だいたい足場の1層が2mくらいですので、2層以上の場合には作業主任者が必要なるわけですね。

つり足場、張り出し足場は、設置する場合は、必ず選任しなくていけません。
つり足場とは、上からチェーンなどで床を吊る構造です。海上作業など、地面から建てられず、チェーンなどで支えるのですから、確実な施工が必要になりますね。

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つり足場

張出し足場とは、水平に足場を組んでいくものです。こちらも地面からの支えがなく、不安定になるため、こちらも堅固で確実な施工が必要になります。

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張出し足場

【安衛則】

(足場の組立て等作業主任者の選任)
第565条
事業者は、令第6条第15号 の作業については、
足場の組立て等作業主任者技能講習を修了した者の
うちから、足場の組立て等作業主任者を
選任しなければならない。
(足場の組立て等作業主任者の職務)
第566条
事業者は、足場の組立て等作業主任者に、
次の事項を行なわせなければならない。
ただし、解体の作業のときは、第1号の規定は、
適用しない。

  1)材料の欠点の有無を点検し、不良品を
   取り除くこと。

  2)器具、工具、要求性墜落制止用器具等及び保護帽の機能を
   点検し、不良品を取り除くこと。

  3)作業の方法及び労働者の配置を決定し、
   作業の進行状況を監視すること。

  4)要求性墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視すること。

作業主任者の業務内容は、次のとおりです。

1)材料の欠点の有無を点検する。
2)器具や工具の欠点や器具、工具の点検を行う。
3)作業方法や労働者の配置を決定し、作業の進行を監視する。
4)安全防具の使用状況を監視する。

一歩間違えれば、転落事故が起こりかねないので、材料や作業方法のチェックは入念に行うことが求められています。
また作業方法に抜かりがあると、事故になりかねないので、こちらもチェックしなくてはいけません。

高所で作業を行う労働者の墜落の危険から守るのですから、作業主任者は重要な役割であるといえます。


○15号の2 建築物等の鉄骨の組立て等作業

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5m以上の建築物の鉄骨を組み立てる場合は、高所作業になるため、作業主任者を選任する必要があります。

鉄骨の組み立ては、ビルの建築などではよく見かけます。
高層ビルに限らず、2階、3階の高さでの組立作業で、墜落しても大事故になります。

事故を防ぐためにも、作業全体を把握し、指揮する作業主任者が必要になります。
【安衛則】

(建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者の選任)
第517条の4
事業者は、令第6条第15号の2の作業については、
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者技能講習を
修了した者のうちから、建築物等の鉄骨の組立て等
作業主任者を選任しなければならない。
(建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者の職務)
第517条の5
事業者は、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者に、
次の事項を行わせなければならない。

  1)作業の方法及び労働者の配置を決定し、
   作業を直接指揮すること。

  2)器具、工具、要求性墜落制止用器具等及び保護帽の機能を点検し、
   不良品を取り除くこと。

  3)要求性墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視すること。

作業主任者の業務内容は、次のとおりです。

1)作業方法や労働者の配置を決定し、作業を直接指揮する。
2)器具や工具の欠点や器具、工具の点検を行う。
3)安全防具の使用状況を監視する。

作業の手順や労働者の配置に不適切なところがあると、大事故になりかねません。
作業全体を把握するのが、作業主任者です。

なお、安全防具に、安全帯(要求性墜落制止用器具)というものがあります。
これは命綱のことです。高所で作業するときには、安全帯をつけることが義務と言っていいでしょう。
事故の多くは、安全帯をつけていない、または装着しているけども、使用していなかったので、墜落したということが非常に多いのです。
作業主任者は、必ず労働者に安全帯は付けさせてください。

また保護帽(ヘルメット)は墜落防止用には、衝撃吸収ライナーというものが付いているものでないといけません。
衝撃吸収ライナーの有無は、ヘルメット内部にスチロールがついているかどうかでわかります。
高所で作業するときは、このヘルメットの違いにも注意して下さい。



○15号の3 鋼橋架設等作業

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高さが5m以上または、橋脚の長さが30m以上の金属製の橋の上部、つまり橋脚以外の工事には、鋼橋架設等作業主任者を選任しなくてはいけません。

一般の河川は、両岸の長さは30m以上が多いでしょうから、市街地の小さな川以外で、金属を用いた橋では必ず作業主任者が必要になりますね。

【安衛則】

(鋼橋架設等作業主任者の選任)
第517条の8
事業者は、令第6条第15号の3 の作業については、
鋼橋架設等作業主任者技能講習を修了した者の
うちから、鋼橋架設等作業主任者を
選任しなければならない。
(鋼橋架設等作業主任者の職務)
第517条の9
事業者は、鋼橋架設等作業主任者に、
次の事項を行わせなければならない。

  1)作業の方法及び労働者の配置を決定し、
   作業を直接指揮すること。

  2)器具、工具、要求性墜落制止用器具等及び保護帽の機能を
   点検し、不良品を取り除くこと。

  3)要求性墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視すること。

作業主任者の業務内容は、次のとおりです。

1)作業方法や労働者の配置を決定し、作業を直接指揮する。
2)器具や工具の欠点や器具、工具の点検を行う。
3)安全防具の使用状況を監視する。

河川の上など、墜落したら命の危険がある場所での、作業のため、足場作業等と同様に、入念な器具や工具の点検とともに、労働者の動きに注目していなければなりません。
そして労働者が安全帯を使用していない場合には、即座に注意する必要があります。


○15号の4 木造建築物の組み立て

木造組み立て内部
鉄骨等の組立と同様ですが、5m以上の木造建築の組立工事には、作業主任者を選任する必要があります。

(木造建築物の組立て等作業主任者の選任)
第517条の12
事業者は、令第6条第15号の4 の作業については、
木造建築物の組立て等作業主任者技能講習を
修了した者のうちから、木造建築物の
組立て等作業主任者を選任しなければならない。
(木造建築物の組立て等作業主任者の職務)
第517条の13
事業者は、木造建築物の組立て等作業主任者に
次の事項を行わせなければならない。

  1)作業の方法及び順序を決定し、作業を
   直接指揮すること。

  2)器具、工具、要求性墜落制止用器具等及び保護帽の機能を
   点検し、不良品を取り除くこと。

  3)要求性墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視すること。

作業主任者の業務内容は、次のとおりです。

1)作業方法や労働者の配置を決定し、作業を直接指揮する。
2)器具や工具の欠点や器具、工具の点検を行う。
3)安全防具の使用状況を監視する。

こちらも鉄骨組立作業の手順や労働者の配置に不適切なところがあると、大事故になりかねません。
作業全体を把握するのが、作業主任者です。

足場等を使うとともに、梁の上を歩くなどもありますので、墜落防止の措置を十分に行わなければなりません。



○15号の5 コンクリート造の工作物の解体等作業

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5m以上のコンクリート構造物を解体する場合は、作業主任者を選任する必要があります。
高いところのコンクリートを壊すわけですから、コンクリートが落下する現場であるといえます。
コンクリート片が労働者にぶつかることもあります。

このような危険が予見される場所での作業なのですから、労働者からの危険を守る必要があります。

【安衛則】

(コンクリート造の工作物の解体等作業主任者の選任)
第517条の17
事業者は、令第6条第15号の5 の作業については、
コンクリート造の工作物の解体等作業主任者技能講習を
修了した者のうちから、コンクリート造の工作物の
解体等作業主任者を選任しなければならない。
(コンクリート造の工作物の解体等作業主任者の職務)
第517条の18
事業者は、コンクリート造の工作物の解体等作業主任者に、
次の事項を行わせなければならない。

  1)作業の方法及び労働者の配置を決定し、
   作業を直接指揮すること。

  2)器具、工具、要求性墜落制止用器具等及び保護帽の機能を点検し、
   不良品を取り除くこと。

  3)要求性墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視すること。


作業主任者の業務内容は、次のとおりです。

1)作業方法や労働者の配置を決定し、作業を直接指揮する。
2)器具や工具の欠点や器具、工具の点検を行う。
3)安全防具の使用状況を監視する。

作業員の配置や作業上全体の把握は、落下した破片で怪我が起こらないようにするためにも、重要な役割です。



○16号 コンクリート橋架設等作業

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金属製の橋だけでなく、高さが5m以上、または橋脚の間が30m以上のコンクリート製の橋の架線の場合にも、作業主任者が必要になります。

【安衛則】

(コンクリート橋架設等作業主任者の選任)
第517条の22
事業者は、令第6条第16号 の作業については、
コンクリート橋架設等作業主任者技能講習を修了した者の
うちから、コンクリート橋架設等作業主任者を
選任しなければならない。
(コンクリート橋架設等作業主任者の職務)
第517条の23
事業者は、コンクリート橋架設等作業主任者に、
次の事項を行わせなければならない。

  1)作業の方法及び労働者の配置を決定し、
   作業を直接指揮すること。

  2)器具、工具、要求性墜落制止用器具等及び保護帽の機能を
   点検し、不良品を取り除くこと。

  3)要求性墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視すること。


作業主任者の業務内容は、次のとおりです。

1)作業方法や労働者の配置を決定し、作業を直接指揮する。
2)器具や工具の欠点や器具、工具の点検を行う。
3)安全防具の使用状況を監視する。

金属製とコンクリートでは、作業主任者の役割は同じですが、作業方法は異なるので、それに応じた注意を払う必要があります。



○17号 第一種圧力容器の取扱

圧力容器とは、大気圧以上の高圧力で気体や液体を貯留するための金属容器です。
ボイラーと違う点は、自ら発熱するのではなく、他の設備の蒸気等で温められたものを貯留します。
容器のうち、大きなものを第一種圧力容器といいます。
一定の容量以上の第一種圧力容器の取扱には作業主任者を選任しなくていけません。

【ボイラー及び圧力容器安全規則】

(第一種圧力容器取扱作業主任者の選任)
第62条
事業者は、令第6条第17号 の作業のうち化学設備
(令第9条の3第1号に掲げる化学設備をいう。以下同じ。)に
係る第一種圧力容器の取扱いの作業については
化学設備関係第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習を
修了した者のうちから、令第6条第17号 の作業のうち
化学設備に係る第一種圧力容器の取扱いの作業以外の作業に
ついては特級ボイラー技士、1級ボイラー技士若しくは
2級ボイラー技士又は化学設備関係第一種圧力容器取扱
作業主任者技能講習若しくは普通第一種圧力容器取扱
作業主任者技能講習を修了した者のうちから、
第一種圧力容器取扱作業主任者を選任しなければならない。

2  事業者は、前項の規定にかかわらず、令第6条第17号 の
  作業で、電気事業法、高圧ガス保安法 又はガス事業法 の
  適用を受ける第一種圧力容器に係るものについては、
  特定第一種圧力容器取扱作業主任者免許を受けた者
 (当該作業のうち化学設備に係る第一種圧力容器の取扱いの
  作業については、第119条第1項第2号又は第3号に掲げる者で
  特定第一種圧力容器取扱作業主任者免許を受けたものに限る。)の
  うちから、第一種圧力容器取扱作業主任者を選任することができる。

(第一種圧力容器取扱作業主任者の職務)
第63条
事業者は、第一種圧力容器取扱作業主任者に、
次の事項を行わせなければならない。

  1)最高使用圧力を超えて圧力を上昇させないこと。

  2 )安全弁の機能の保持に努めること。

  3)第一種圧力容器を初めて使用するとき、
   又はその使用方法若しくは取り扱う内容物の種類を
   変えるときは、労働者にあらかじめ当該作業の方法を
   周知させるとともに、当該作業を直接指揮すること。

  4)第一種圧力容器及びその配管に異常を認めたときは、
   直ちに必要な措置を講ずること。

  5)第一種圧力容器の内部における温度、圧力等の状態に
   ついて随時点検し、異常を認めたときは、直ちに必要な
   措置を講ずること。

  6)第一種圧力容器に係る設備の運転状態について必要な
   事項を記録するとともに、交替時には、確実に
   その引継ぎを行うこと。


第一種圧力容器は化学設備か、それ以外かで必要となる資格が異なります。
化学設備を取り扱う場合には、化学設備関係第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習を終了した者から専任しなくていけません。
その他の設備であれば、特級、1級、2級ボイラー技士、化学設備関係第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習または普通第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習の修了者から選びます。

作業主任者の業務内容は、次のとおりです。

1)最高使用圧力を超えさせない。
2)安全弁の保持。
3)初めて使用する時、取り扱うものが変更する場合は、
  作業方法を周知し、作業を直接指揮する。
4)異常があった場合、直ちに適切な措置をとる。
5)温度、圧力を点検する。
6)必要な記録を取り、交代時は引き継ぎを行う。

高い圧力を扱うので、設備の取扱が不適切だと、大事故になります。
常に適切に稼働していることを確認することが、何より大切な業務であると言えます



○18号 特定化学物質作業

物を製造する過程では、人体に有害な化学物質を使用することが多くあります。
金属を洗浄するには、酸を用いる、塗装をする場合には、有機溶剤を用いるなど、数えきれないほどの過程で、数えきれないほどの化学物質を用います。
その多くが人体に有害なものなので、取扱には細心の注意を払う必要があります。

そのため、作業主任者を選任して、労働者の安全な作業を指揮させる必要があります。
【特定化学物質障害予防規則】

(特定化学物質作業主任者の選任)
第27条
事業者は、令第6条第18号 の作業については、
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習
(エチルベンゼン塗装業務又は1・2―ジクロロプロパン洗浄・
払拭業務に係る作業にあっては、有機溶剤作業主任者技能講習)を
修了した者のうちから、特定化学物質作業主任者を
選任しなければならない。

2  令第6条第18号 の厚生労働省令で定めるものは、
次に掲げる業務とする。

  1)第2条の2各号に掲げる業務

  2)第38条の8において準用する有機則第2条第1項 及び
   第3条第1項 の場合におけるこれらの項の業務
  (別表第1第37号に掲げる物に係るものに限る。)

(特定化学物質作業主任者の職務)
第28条
事業者は、特定化学物質作業主任者に次の事項を
行わせなければならない。

  1)作業に従事する労働者が特定化学物質により汚染され、
   又はこれらを吸入しないように、作業の方法を決定し、
   労働者を指揮すること。

  2)局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除じん装置、
   排ガス処理装置、排液処理装置その他労働者が健康障害を
   受けることを予防するための装置を1月を超えない期間ごとに
   点検すること。

  3)保護具の使用状況を監視すること。

  4)タンクの内部においてエチルベンゼン塗装業務
   又は1・2―ジクロロプロパン洗浄・払拭業務に労働者が
   従事するときは、第38条の8において準用する有機則第26条
    各号に定める措置が講じられていることを確認すること。


作業主任者の業務内容は、次のとおりです。

1)労働者が化学物質を吸入しないように、作業方法決定し、作業を直接指揮する。
2)排気装置などの設備を1ヶ月に1回以上点検する。
3)保護具の使用状況を監視する。
4)有害な特定作業を行う場合には、有機則第26条の措置がとられていることを確認する。

なお、有機則第26条は、次のとおりです。

【有機溶剤中毒予防規則】

(タンク内作業)
第26条
事業者は、タンクの内部において有機溶剤業務に労働者を
従事させるときは、次の措置を講じなければならない。

  1)作業開始前、タンクのマンホールその他有機溶剤等が流入する
   おそれのない開口部をすべて開放すること。

  2)労働者の身体が有機溶剤等により著しく汚染されたとき、
   及び作業が終了したときは、直ちに労働者に身体を洗浄させ、
   汚染を除去させること。

  3)事故が発生したときにタンクの内部の労働者を直ちに
   退避させることができる設備又は器具等を整備しておくこと。

  4)前各号に掲げる措置のほか、有機溶剤等を入れたことのある
   タンクについては、作業開始前に、次の措置を講ずること。

   イ 有機溶剤等をタンクから排出し、かつ、タンクに接続する
     すべての配管から有機溶剤等がタンクの内部へ
     流入しないようにすること。

   ロ 水又は水蒸気等を用いてタンクの内壁を洗浄し、かつ、
     洗浄に用いた水又は水蒸気等をタンクから排出すること。

   ハ タンクの容積の三倍以上の量の空気を送気し、若しくは排気するか、
     又はタンクに水を満たした後、その水をタンクから排出すること。

圧力容器内で、エチルベンゼン塗装などの作業を行う場合には、次の措置が必要になります。

1)作業開始前に、他から溶剤等が流入するおそれのない開口部を開放する。
2)労働者に溶剤等が付着した場合は、すぐに洗浄などの措置をとる。
3)事故が起こった場合は、労働者をすぐに退避させられるような設備を備える。
4)作業前に、溶剤の流入、排水、換気を行うこと。

日常の点検だけでなく、圧力容器内で作業を行う場合には、十分な対策を講じて、安全確保に努めなければなりません。



○19号 鉛作業

鉛は融点が低く、割合柔らかいので加工がしやすい金属です。
また酸化とともに表面に酸化皮膜が形成されるため、腐食しにくく、水でも錆びにくいので、ローマ時代では水道管などにも使われていました。
現在でも、鉛蓄電池などで使われています。
扱いやすい物質である鉛ですが、一方では毒性もあります。
鉛中毒というものを耳にしたことはあると思います。
貧血症状や神経に影響をあたえる他、母体を通じて乳児にも影響があるため、近年では取扱には慎重を期すようになりました。

労働者や環境への被害を防ぐため、鉛の取扱には、作業主任者を選任しなくてはいけません。

【鉛中毒予防規則】

(鉛作業主任者の選任)
第33条
事業者は、令第6条第19号 の作業については、鉛作業主任者技能講習を
修了した者のうちから鉛作業主任者を選任しなければならない。
(作業主任者の職務)
第34条
事業者は、鉛作業主任者に次の事項を行なわせなければならない。

  1)鉛業務に従事する労働者の身体ができるだけ鉛等
   又は焼結鉱等により汚染されないように労働者を
   指揮すること。

  2)鉛業務に従事する労働者の身体が鉛等又は焼結鉱等に
   よって著しく汚染されたことを発見したときは、
   すみやかに、汚染を除去させること。

  3)局所排気装置、プッシュプル型換気装置、全体換気装置、
   排気筒及び除じん装置を毎週1回以上点検すること。

  4)労働衛生保護具等の使用状況を監視すること。

  5)令別表第4第9号に掲げる鉛業務に労働者が従事するときは、
   第42条各号に定める措置が講じられていることを確認すること。


作業主任者の業務内容は、次のとおりです。

1)労働者が汚染されないように、指揮する。
2)著しく汚染された箇所がある場合は、すみやかに除去する。
3)換気設備などの装置を毎週1回以上点検する。
4)保護具の使用状況を監視する。
5)第42条に定める措置が取られていることを確認する。

労働者が鉛に汚染されないように、作業を指揮し、設備を点検し、保護具を着用させるなど、念入りに鉛との接触を防ぐことが第一の業務といえます。

鉛を扱う作業の中には、鉛を内部に貯留させる装置内部を行うものもあります。
この場合の作業は、非常に接触する可能性が高いので、特に注意が必要ということで、第42条の措置を講じられているかを確認することと書かれているわけです。

第42条の措置については、次のとおりです。

(鉛装置の内部における業務)
第42条
事業者は、令別表第4第9号に掲げる鉛業務に労働者を従事させるときは、
次の措置を講じなければならない。

  1)作業開始前に、当該鉛装置とそれ以外の装置で稼働させるものとの
    接続箇所を確実に遮断すること。

  2)作業開始前に、当該鉛装置の内部を十分に換気すること。

  3)当該鉛装置の内部に付着し、又はたい積している粉状の鉛等
   又は焼結鉱等を湿らせる等によりこれらの粉じんの発散を
   防止すること。

  4)作業終了後、すみやかに、当該労働者に洗身をさせること。

鉛装置の内部作業での業務は次のとおりです。

1)作業前に、鉛装置とそれ以外との接続を遮断する。
2)作業前に、十分換気する。
3)内部の粉塵の発散を防止する。
4)作業終了後、すみやかに労働者を洗う。

鉛との接触を最小限にし、仮に接触してもすぐに取り除くというのが重要ということですね。



○20条 四アルキル鉛等作業

四アルキル鉛とは、テトラエチル鉛といい、異臭を有する無色の液体で、一般的な鉛というイメージのものではありません。
四アルキル鉛の性質は、揮発しやすい日光に対して不安定だそうで、すぐに分解します。分解したら白濁します。
引火性があり、金属に対しても腐食性をもっています。
人体に対しては強い毒性があり、神経に作用します。
揮発した蒸気は、口や鼻だけではなく、皮膚に接触しても、吸収されてしまいます。

自動車のエンジンなどで使用されていましたが、現在は排気ガスを無鉛化するなどの流れから、自動車では使われなくなってきているようです。

上記にあるように、とても毒性が強い劇薬のため、取扱には作業主任者の指揮のもと、慎重に扱わなければなりません。

【四アルキル鉛中毒予防規則】

(四アルキル鉛等作業主任者の選任)
第14条
事業者は、令第6条第20号 の作業については、特定化学物質及び
四アルキル鉛等作業主任者技能講習を修了した者のうちから、
四アルキル鉛等作業主任者を選任しなければならない。
(四アルキル鉛等作業主任者の職務)
第15条
第15条  事業者は、四アルキル鉛等作業主任者に
次の事項を行なわせなければならない。

  1)作業に従事する労働者が四アルキル鉛により汚染され、
   又はその蒸気を吸入しないように、作業の方法を決定し、
   労働者を指揮すること。

  2 )その日の作業を開始する前に、第6条第1項第6号、
    第7条第2項又は第11条第1項第2号の換気装置を
    点検すること。

  3)保護具の使用状況を監視すること。

  4)第20条第1項各号のいずれかに掲げる場合において労働者が
   四アルキル鉛中毒にかかるおそれのあるとき、又は作業に
   従事する労働者が異常な症状を訴え、若しくは当該労働者に
   ついて異常な症状を発見した場合において当該労働者が
   四アルキル鉛中毒にかかっているおそれのあるときは、
   直ちに労働者を当該作業場所から退避させること。

  5)作業に従事する労働者の身体又は衣類が四アルキル鉛に
   よって汚染されていることを発見したときは、直ちに
   過マンガン酸カリウム溶液により、又は洗浄用灯油及び
   石けん等により汚染を除去させること。


作業主任者の業務内容は、次のとおりです。

1)労働者が汚染されないように、作業方法を決定し指揮する。
2)作業前に、作業方法や換気装置を点検する。
3)保護具の使用状況を監視する。
4)労働者に異常があれば、直ちに退避させる。
5)労働者や衣服が汚染されていたら、除去する。

ほんの少し皮膚に接触するだけでも、中毒症状が出てしまう物質なのですから、労働者に接触させない、接触した場合であっても、直ちに対応することが重要な役割ですね。



○21号 酸素欠乏作業

通常生活している空間の空気には、酸素は約21%程度含まれています。
酸素濃度が減って、18%未満になると、めまいや失神などの症状が出てきて、さらに低くなると死亡することもあります。
地下や船内、タンクの中などで閉鎖された場所で作業する場合、酸素が欠乏している可能性があります。
そのような環境で作業を行うのは、常に危険が伴うため、作業主任者が作業を指揮しなくてはならないのです。

【酸素欠乏症等防止規則】

(作業主任者)
第11条
事業者は、酸素欠乏危険作業については、第一種酸素欠乏危険作業に
あっては酸素欠乏危険作業主任者技能講習又は
酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、
第二種酸素欠乏危険作業にあっては
酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、
酸素欠乏危険作業主任者を選任しなければならない。

2  事業者は、第一種酸素欠乏危険作業に係る酸素欠乏危険作業主任者に、
次の事項を行わせなければならない。

  1)作業に従事する労働者が酸素欠乏の空気を吸入しないように、
   作業の方法を決定し、労働者を指揮すること。

  2)その日の作業を開始する前、作業に従事するすべての労働者が
   作業を行う場所を離れた後再び作業を開始する前及び労働者の身体、
   換気装置等に異常があったときに、作業を行う場所の空気中の
   酸素の濃度を測定すること。

  3)測定器具、換気装置、空気呼吸器等その他労働者が酸素欠乏症に
   かかることを防止するための器具又は設備を点検すること。

  4)空気呼吸器等の使用状況を監視すること。

3  前項の規定は、第二種酸素欠乏危険作業に係る
  酸素欠乏危険作業主任者について準用する。この場合において、
  同項第1号中「酸素欠乏」とあるのは「酸素欠乏等」と、
  同項第2号中「酸素」とあるのは「酸素及び硫化水素」と、
  同項第3号中「酸素欠乏症」とあるのは「酸素欠乏症等」と
  読み替えるものとする。


作業主任者の業務内容は、次のとおりです。

1)作業方法を決定し指揮する。
2)作業前や、休止後再開する場合などの測定を行う。
3)換気装置や器具、保護具を点検する。
4)呼吸器等の使用状況を監視する。

酸素が欠乏している環境下では、酸素欠乏危険作業主任者技能講習か、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了したものから選任します。

酸素欠乏だけでなく、硫化水素が発生している場所で作業することがあります。
下水道の管路や浄化槽等で作業する場合は、この危険性があります。
硫化水素は、10ppm以上、つまり10/1,000,000以上の濃度があると人体に影響があるため、この濃度測定が必要になります。
こういった硫化水素が滞留する可能性のある場所での作業主任者は、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了したものから選任します。

酸素欠乏作業で、最も大切なことは、作業前には濃度を測定することと、作業時には適切な呼吸保護具を使用させることですね。



○22号 有機溶剤作業

船の中やタンクの内部などでの塗装作業などを行う場合、有機溶剤などを使用します。
有機溶剤というと、イメージしやすいのはシンナー等でしょうか。
狭く空気の流れがない場所で、シンナーの封を開けるとどんなことになるか、分かりますね?
そんな環境下で作業を行う場合には、作業主任者を必要とします。

【有機溶剤中毒予防規則】

(有機溶剤作業主任者の選任)
第19条
令第6条第22号 の厚生労働省令で定める業務は、有機溶剤業務
(第1条第1項第6号ルに掲げる業務を除く。)のうち次に掲げる
業務以外の業務とする。

  1)第2条第1項の場合における同項の業務

  2)第3条第1項の場合における同項の業務

2  事業者は、令第6条第22号 の作業については、
有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者のうちから、
有機溶剤作業主任者を選任しなければならない。

(有機溶剤作業主任者の職務)
第19条の2
事業者は、有機溶剤作業主任者に次の事項を
行わせなければならない。

  1)作業に従事する労働者が有機溶剤により汚染され、
   又はこれを吸入しないように、作業の方法を決定し、
   労働者を指揮すること。

  2)局所排気装置、プッシユプル型換気装置又は全体換気装置を
   1月を超えない期間ごとに点検すること。

  3)保護具の使用状況を監視すること。

  4)タンクの内部において有機溶剤業務に労働者が従事するときは、
   第26条各号に定める措置が講じられていることを確認すること。


作業主任者の業務内容は、次のとおりです。

1)作業方法を決定し指揮する。
2)換気設備等を1ヶ月1回以上点検すること。
3)保護具の使用状況を監視する。
4)内部で作業する場合には、必要な措置を講じているかを確認すること。

重要なのは換気と作業中の労働者の安全を確保することです。
第26条の措置は、特定化学物質等の取扱と同様ですね。

溶剤が充満している空間の中での作業は、非常に過酷です。
作業を行っている労働者は、作業に集中するため、一緒に作業している同僚のことも自分自身のことも、客観的に見ることができません。また少々でも溶剤を吸って中毒症状があれば、判断力も低下してしまいます。
そのような状況ですから、作業主任者が全体を見渡し、労働者の安全に仕事を終えるようにする、重大な責務があるのです。



○23号 石綿作業

石綿とはアスベストのことです。
アスベストは建材や工業用の材料として、30年から40年前までにはよく使われていました。
近年は、アスベストが原因で肺がんを患うなどの問題があることが分かり、現在では使用は制限されています。
しかし過去に大量にアスベストを吸引してしまったために、高齢になってから悪性中皮腫等の重い病気で苦しんでいる方もたくさんおられます。
アスベストの被害を訴える裁判もあり、ニュースなどでもよく取り上げられています。

現在はアスベストを用いて工事を行うことは、まずありません。
しかしアスベストを使った建物は、たくさん残っているので、除去する作業があるのです。

アスベストの吸引は人体に有害であり、その除去作業にはリスクがあるため、作業主任者を選任する必要があるのです。
【石綿障害予防規則】

(石綿作業主任者の選任)
第19条
事業者は、令第6条第23号 に掲げる作業については、
石綿作業主任者技能講習を修了した者のうちから、
石綿作業主任者を選任しなければならない。
(石綿作業主任者の職務)
第20条
事業者は、石綿作業主任者に次の事項を
行わせなければならない。

  1)作業に従事する労働者が石綿等の粉じんにより汚染され、
   又はこれらを吸入しないように、作業の方法を決定し、
   労働者を指揮すること。

  2)局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除じん装置
   その他労働者が健康障害を受けることを予防するための
   装置を1月を超えない期間ごとに点検すること。

  3)保護具の使用状況を監視すること。


作業主任者の業務内容は、次のとおりです。

1)作業方法を決定し指揮する。
2)換気設備等を1ヶ月1回以上点検すること。
3)保護具の使用状況を監視する。

アスベストは、鉱物ですが、非常に細かい繊維状になって舞うので、しっかりとした保護具を着用しないと、うっかり吸い込んでしまいます。
そのため全身を覆う保護スーツと外部の空気を取り入れる呼吸器を身につけます。
作業が終わったら、保護スーツにはアスベストが付着しているので、密封して廃棄します。

全身スーツで覆って作業しているため、作業中は暑く、判断力も低下します。
過酷な環境下での、作業のため、全体を見渡す作業主任者が安全を担うことになります。


以上で作業主任者の業務をひと通り見てきました。

私の仕事の範囲とは異なり、十分理解が及んでいないものは、紹介内容に未熟なところも多いかと思いますが、
今後保管していければと思いますので、ご看過ください。

どの作業も労働者が一歩間違えれば、命の危険にさらされる大事故になります。
また有害な環境下での作業であれば、将来にわたって健康に被害をもたらすことになりかねません。

仕事上、どうしても危険で有害な作業は避けられないこと多いです。
しかしながら、労働者の身の安全も確保しなければいけません。
作業主任者は、作業だけでなく労働者の安全の責任があるのです。

作業主任者が不在のため、事故が起こったという事例も多々あります。
危険で有害な作業では、労働者の安全と健康は、作業主任者の肩にかかっています。

とても責任があり、大変な仕事だとは思いますが、どうか現場の全員が無事に、今日の仕事を終えられるようにしていいただければと思います。
作業主任者と労働者の協力があって、現場の安全は守られるのです。

まとめ。
【船内荷役作業主任者】
【安衛則】

第450条
事業者は、総トン数500t以下、船上の抑揚装置を用いない荷役作業において、
技能講習を終了した作業主任者を選任すること。
第451条
船内荷役作業主任者には特定の職務を果たさせること。


【型枠支保作業主任者】
【安衛則】

第246条
事業者は、型枠支保工の組立て等作業において、
技能講習を終了した作業主任者を選任すること。
第247条
型枠支保工の組立て等作業主任者には特定の職務を果たさせること。


【足場の組立て等作業主任者】
【安衛則】

第565条
事業者は、つり足場、張出し足場、5m以上の足場の組立て等作業において、
技能講習を終了した作業主任者を選任すること。
第566条
足場の組立て等作業主任者には特定の職務を果たさせること。


【建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者】
【安衛則】

第517条の4
事業者は、5m以上の建築物等の鉄骨の組立て等作業において、
技能講習を終了した作業主任者を選任すること。
第517条の5
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者には特定の職務を果たさせること。


【鋼橋架設等作業主任者】
【安衛則】

第517条の8
事業者は、上部において高さ5m以上、橋脚間が30mを超える鋼橋架設等作業において、
技能講習を終了した作業主任者を選任すること
第517条の9
鋼橋架設等作業主任者には特定の職務を果たさせること。

【木造建築物の組立て等作業主任者】
【安衛則】

第517条の12
事業者は、5m以上の木造建築物の組立て等作業において、
技能講習を終了した作業主任者を選任すること。
第517条の13
木造建築物の組立て等作業主任者には特定の職務を果たさせること。


【コンクリート造の工作物の解体等作業主任者】
【安衛則】

第517条の17
事業者は、5m以上のコンクリート造の工作物の解体等作業において、
技能講習を終了した作業主任者を選任すること。
第517条の18
コンクリート造の工作物の解体等作業主任者には特定の職務を果たさせること。


【コンクリート橋架設等作業主任者】
【安衛則】

第517条の22
事業者は、高さ5m以上、または橋脚の間が30mを超えるコンクリート橋架設等作業において、
技能講習を終了した作業主任者を選任すること。
第517条の23
コンクリート橋架設等作業主任者には特定の職務を果たさせること。


【第一種圧力容器取扱作業主任者】
【ボイラー及び圧力容器安全規則】

第62条
事業者は、第一種圧力容器の取り扱い作業において、免許を持った作業主任者を選任すること。
第63条
第一種圧力容器取扱作業主任者には特定の職務を果たさせること。


【特定化学物質作業主任者】
【特定化学物質障害予防規則】

第27条
事業者は、特定化学物質作業において、免許を持った作業主任者を選任すること。
第28条
特定化学物質作業主任者には特定の職務を果たさせること。


【有機溶剤中毒予防規則】

第26条
事業者は、タンク内で労働者を作業に従事させる場合は、必要な措置を講ずること。


【鉛作業主任者】
【鉛中毒予防規則】

第33条
事業者は、鉛作業において、免許を持った作業主任者を選任すること。
第34条
鉛作業主任者には特定の職務を果たさせること。
第42条
事業者は、鉛装置内で労働者を作業に従事させる場合は、必要な措置を講ずること。


【四アルキル鉛等作業主任者】
【四アルキル鉛中毒予防規則】

第14条
事業者は、四アルキル鉛等作業において、免許を持った作業主任者を選任すること。
第15条
四アルキル鉛等作業主任者には特定の職務を果たさせること。


【酸素欠乏危険作業主任者】
【酸素欠乏症等防止規則】

第11条
事業者は、酸素欠乏危険作業において、免許を持った作業主任者を選任すること。
酸素欠乏危険作業主任者には特定の職務を果たさせること。


【有機溶剤作業主任者】
【有機溶剤中毒予防規則】

第19条
事業者は、有機溶剤作業において、免許を持った作業主任者を選任すること。
第19-2条
有機溶剤作業主任者には特定の職務を果たさせること。


【石綿作業主任者】
【石綿障害予防規則】

第19条
事業者は、石綿作業において、免許を持った作業主任者を選任すること。
第20条
石綿作業主任者には特定の職務を果たさせること。


コメント

  1. 安全衛生犬 より:

    お世話になります。本日はじめてこのサイトを拝見させていただいた者です。
    まださらっとみせていただいただけですが、非常にわかりやすくて参考になっております。
    お世話になりついでに質問させていただきます。
    北陸地方整備局企画部編(H23.03)の『土木工事等安全衛生管理必携』(http://www.hrr.mlit.go.jp/gijyutu/pdf/H23.3annzennkanrihikkei.pdf)の第2章の1に、「安全衛生管理体制に関する基本体制」という項目があり、体制の基本構成図が記載されています。この構成図における『作業主任者』の規定がいまいちよく理解できていません。
    従来ですと、「作業主任者の選任が必要な工種毎に有資格者のなかから作業主任者を選任して、別途一覧をつくって掲示すればよい。」と解釈していたのですが、構成図から判断すると前記の『作業主任者』とはまた違った、職長にあたるような統括的役割を担う『作業主任者』を更に選任する必要があるのではないか、とも解釈できるような気がします。資料を読み進めていくと、第2章の2、規定資格要件体制の6の項に、「作業主任者の選任(法第14条、施工令第6条、規則第16~18条)」についての記述があります。がしかしいまいちよく理解できないでおります。
    以上の件に関しましてご存知のことをご教示いただけたら幸いです。
    宜しくお願いいたします。

    1. itetama より:

      こんばんは。
      コメントありがとうございます。

      さて、「作業主任者」についてですが、「作業主任者の選任が必要な工種毎に有資格者のなかから作業主任者を選任して、別途一覧をつくって掲示すればよい。」という理解でよいと思います。

      リンク先の資料を見たところ、確かに各関係請負人の枠には「作業主任者」が含まれているため、必ず体制に含まれていなければならないように見えます。
      しかしこれは、必要に応じて選任し、配置しなければならないものです。
      そのため仮に関係請負人が高さ5メートルに満たないような低い足場の組立解体のみを請け負っている場合は、作業主任者の選任は不要になります。

      おそらく資料の構成図は、最大限必要となる体制を表示しているのではないでしょうか。

      各関係請負人はどんな作業を行うのか、それは作業主任者が必要なのか、また有資格者は必要なのかなどを検討して、体制作りが必要といえそうです。

  2. 安全教育センター 佐々木 登 より:

    「別途一覧を作って掲示・・・」という部分ですが、厳密には安衛則第18条により、作業主任者は職務と氏名の掲示が義務づけられています。
    氏名のみの一覧では、法令基準を満たさず違反となりますので、注意が必要です。
    蛇足ながら。

    1. itetama より:

      コメントありがとうございます。

      仰るとおり、安衛則第18条に
      「事業者は、作業主任者を選任したときは、当該作業主任者の氏名及びその者に行なわせる事項を作業場の見やすい箇所に掲示する等により関係労働者に周知させなければならない。」

      氏名リストと合わせて、各作業主任者の氏名と行わせることを掲示する必要があります。
      何を行わせるかは、作業主任者ごとに決められています。

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